釣具店だからできる「ネットショップに勝つ戦略」いまこそイベント力を発揮し、ファン化戦術を遂行せよ!

釣具小売店の皆様、桜が満開になり釣りにも良いシーズンななって来ました。でも、お店の売上はどうでしょうか?「本調子に程遠い成績かな」と言うお声を、よく耳にします。頑張る釣具店を応援したいIsui企画は、独自の考えから売上改善のヒントを考えて行きたいと思います。先ずは、昨年より続くリアル店舗の不振の原因を、深堀したいと思います。

① ネットショップに顧客を取られている

Amazonを始めとするネットショップの売上増は釣具に限らず、あらゆる分野の小売店の顧客を恐るべきスピードで浸食し、その便利さと言うサービスはリアル店舗ではかないません。コロナ禍の影響で接触と言う障害を無くし、利便性の威力を遺憾なく発揮し消費者に浸透しました。この現実に無視する事は出来ず、受け入れるより仕方ありません。

② 釣り人の釣りに掛ける予算額の減少

今年の春闘でベアの満額回答が続き、月収の大幅アップが話題となっていますが、実質賃金は減少の一途を辿っています。新たな釣り道具の購入費用に回す余裕が、どれだけの釣り人に有るのでしょうか?いや、それ以前に考えなければいけないのが、釣りに行く回数が減っているのではないでしょうか?

③ そもそも、釣り人の釣り離れが進んでいる

もっと極端に考えるなら、「釣り止めました」と答える釣り人はいないのでしょうか?ショアジギングやアオリイカも以前より釣れなくなり、ジグや餌木の販売量が激減して、お店は在庫過多の状況が続いているのではないでしょうか?鮎釣りや渓流釣りの状況が、釣りのあらゆるジャンルに同じ傾向になっているなら、恐ろしい事態が考えられます。

でも、心配しないで下さい!釣りは太古の昔より、人が楽しむレジャーの王様なのです。世界中の人々が釣りを楽しみ、その楽しみ方は進化しています。そして、釣りの楽しみを知っている人より、釣りの楽しさを経験した事が無い人の方が多い事を理解すると、未来が見えてきます。


「釣りをしてみたい人」が、何故、釣りをする機会が無かったのかを考えてみましょう。

ご自身が釣りを始めた動機を、思い出して下さい。父親・友人・先輩等、釣り好きの知人の誘いがキッカケと言う人が、多数ではないでしょうか。又、釣りキチ三平やグランダー武蔵等、アニメの影響で始めた方もいるでしょう。前者は半ば強制的に同行させられた消極的動機で、後者は積極的な動機で釣りを覚えて方でしょう。積極的動機の方はご自身で専門書やネットで調べ、ご自身で釣りを覚えた方。消極的動機の方は、師匠的な知人のアドバイスで釣りを覚えた方となるでしょう。さて、釣りを始めたい方の消極的動機の方で、知人に釣り好きが居ない場合はどうなるでしょうか?曖昧な知識で釣具店を訪れ、適当な買い物をして釣り場に向い、釣果が無くて面白くないと感じた方も多いのではと考えます。また、釣りに行きたいが一人では躊躇する等、始める機会が無いままで、時が過ぎた方も存在するでしょう。

日本の釣り環境はブルーオーシャンだー!

アメリカの靴の販売会社の逸話で、アフリカに移動を命じられた二人の営業マンの会社への報告を、日本の釣り業界の現況に変えてみます。一人目の報告「大変です。日本釣り人口は2000万人から600万人に減っています。売り上げ増は厳しいと思います」。二人目の報告「日本人1億人の人口で、2000万しか釣りを経験していません。楽しみな結果を送ります」。この話の重要な所は、二人目が取った営業戦略なのです。ピンチをチャンスに変えるマーケティング戦略こそ大切で、前向きな気持ちで現状を分析し改善点を見つけ出し、新たな販売戦略を創造する事が大切なのです。日本の周りは海に囲まれ、各地に池・湖・川が有る「釣りの環境」に最適な国なのです。しかも、魚を好んで食べる国民で、釣りをする動機に溢れているのです。

カスタマーエクスペリエンスを理解せよ

「顧客が体験する様々な経験を価値あるモノにする」ために、顧客に良い経験を提供し、リピート率や購入を増やそうとする考えが、カスタマーエクスペリエンスです。釣りを始めたいと考える人に、どのような体験をして頂き、どのような感動を感じて頂くかが、お店のファン化戦略のイベント構築の肝なのです。単純な釣り大会や釣り教室では無く、初心者が満足する内容を構築しなければなりません。使い勝手の良い道具で、手取り足取りで釣りの楽しさを体現してもらい、「このお店でこの人から、釣具を買いたい」と思って頂く事がファン化のゴールです。

顔が見える販売の重要性を再認識して下さい

私の経験の中から、リアル店舗の優位性をお話します。ネットショップで購入した商品の使用方法が解らず、困った方からの相談が多数あります。特に電動リールの設定方法や、針結び器の使用方法です。年配のお客様や初心者のお客様は電話などのやり取りでは理解できず、店舗に相談に来店されました。そのお客様は、後に良い顧客になったのは言うまでも有りません。だからこそ、イベントでお客様とふれあい、信頼を勝ち取る対応を学ばなければなりません。コロナ禍終息後、改めて人との触れ合いの大切さを思い出し、新たな出会いを求める人が増加しています。楽しい釣りの時間を体験してもらい、長くお店を応援して頂ける顧客獲得の為にも、接客サービスレベルを上げましょう。

釣りをしてみたい人に、より良い環境で始めてもらって下さい。

新たに釣りを楽しみたい方を増やし、お店のファンを増やすイベントを考えましょう♪